ききょう内科クリニック

函館市の 内科 呼吸器内科 緩和ケア内科なら ききょう内科クリニック

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ドクターコラム

熱中症について

厳しい暑さがやってきましたね。この時期心配なのはやはり熱中症です。スポーツ時や高温の環境下で、体温がうまく調節できなくなって起こる身体的な障害を熱中症といい、その発症年齢は、乳幼児から高齢者までと幅広く、なかでも高温多湿である夏に発症率が高いようです。屋外だけではなく屋内、車の中などでも要注意です。

症状は顔面蒼白、めまい、失神、呼吸数の増加、吐き気、筋肉痛、痛みを伴い痙攣、体のだるさ、疲労感、頭痛、血圧低下、多量発汗、高体温など、多岐にわたるため、すぐに熱中症かどうか判断できない場合もあるので、異変を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。

ニュースなどを見ても「自分は大丈夫」と思っていた方が熱中症になっているので、「自分もなるかもしれない」と思って、直射日光を浴びない、水分をこまめに補給するなど、熱中症対策をやっていきましょう。

過敏性肺臓炎という病気をご存知ですか?

一般的な肺炎は細菌やウィルスなどの病原体が肺に感染することによって引き起こされる炎症ですが、過敏性肺臓炎はそれ自体病原性や毒性を持たないカビや動物性蛋白質などの有機物・あるいは化学物質などを繰り返し吸い込んでいるうちに肺が過剰反応を示すようになりアレルギー性の炎症が生じて引き起こされます。過敏性肺臓炎の症状は発熱や咳・呼吸困難感・だるさなどです。喘鳴(呼吸のたびにぜいぜいする)を伴う方も多く、レントゲン写真上は淡い炎症像を認めます。抗原の多くは患者さんの自宅や職場に潜んでいるため、その環境から離れると症状が軽快・消失し、再びその環境に戻ると悪化します。このような状態が続くと肺に線維化とよばれる不可逆的な変化が生じ、慢性的な咳や呼吸困難感で悩まされることになります。日本でよくみられる過敏性肺炎臓炎には以下のものがあります。

①夏型過敏性肺炎 : 高温多湿になる夏季に発症しやすく、冬季にはみられません。湿気の多い古い家屋を好むトリコスポロンというカビが抗原です。
②農夫肺:北海道や岩手県などの酪農家にみられ、干し草のなかの好熱性放線菌というカビが抗原です。
③換気装置肺炎(空調肺、加湿器肺) : 清掃を怠ったエアコン(空調)や加湿器に生じたカビ類を吸い込むことによって発症します。
④鳥飼病 : 鳩やインコなどの鳥類を飼育しているひと、あるいはその周囲で暮らしているひとに発症します。抗原は鳥類の排泄物にふくまれる蛋白質といわれています。
⑤職業性の過敏性肺炎 : キノコ栽培業者がキノコの胞子を吸入して生じる過敏性肺炎やポリウレタンの原料であるイソシアネートを吸入して生じる過敏性肺炎などが知られています。北海道では農夫肺・キノコ栽培者の肺炎が多いです。治療法は抗原からの回避とステロイドホルモン剤です。頻度の高い疾患ではありませんが熱や咳などの症状が繰り返される方は過敏性肺臓炎を起こしていることがあります。

季節性アレルギーと喘息の話

しつこい咳の原因と治療
ここ数年積雪量が多くなってきた函館ですがようやく雪解けの季節を迎え、春が近づいてきているのを実感します。しかしながらこの時期から徐々に花粉症(鼻炎や結膜炎)に悩まされる方が増えてきます。また、喘息をお持ちの方も季節の変わり目になると症状がひどくなる方が多く認められます。春・秋の季節の変わり目や、気候の不安定な時期に喘息発作が出やすいことは古くから良く知られています(季節の変わり目に喘息が悪化する原因は、気温、湿度、気圧などの物理的要因と、気候・気象の変化に伴うダニ、カビ、花粉などのアレルゲン、および大気汚染物質を始めとする大気成分の量的・質的変化などが考えられています)。この季節の道南地区のアレルギー症状はスギ・ハンノキ・シラカバなどの花粉によっておこされることが多いです。(道南地区は北海道内で唯一スギが自生しています)。以前スギ花粉症はアレルギー性鼻炎や結膜炎の原因にはなっても、喘息を起こすことはあまり多くないと言われていましたが必ずしもそうとは言い切れないことがわかってきています。実は喘息の方でアレルギー性鼻炎を合併している頻度が約50~70%と非常に高率です。アレルギー性鼻炎の方から見ても、喘息を合併している頻度がは約10~20%あるといわれています。従って、スギ花粉症の患者が喘息になるのはもともと喘息体質があって、気管支が過敏な人がスギ花紛やそれ以外のアレルゲン(ダニ、ペット、カビ)に対して喘息になると考えられます(喘息の主たる原因はダニとハウスダウトといわれています)。春がすぎ夏になるとカモガヤ、秋にはブタクサ・ヨモギの花粉が飛散します。季節性アレルギーをお持ちの患者さんはその時期に合わせて適切な治療を受けることが必要です。

しつこい咳の原因と治療

しつこい咳の原因と治療
咳がではじめてから3週間以内のものを「急性の咳」、3~8週間ものを「遷延性の咳」、8週間以上を「慢性の咳」と定義されています。「急性の嗽」の多くは風邪などの呼吸器感染症が原因です(マイコプラズマ感染や百日咳感染ですと咳は長引きやすい傾向があります)。持続時間が長くなればなるほど、原因に感染症が占める割合は少なくなってきて、8週間以上続く「慢性の嗽」では感染症以外の原因があると考えられています。長引く咳の主な原因疾患はアトピー咳嗽・感染後咳嗽・咳喘息・気管支喘息・薬の副作用の咳・胃食道逆流症(逆流性食道炎)・喉頭アレルギー・間質性肺炎・心因性咳嗽・肺結核・副鼻腔炎・気管支拡張症・肺癌・肺気腫など多岐にわたります。たとえばエアコンの風や冷たい飲食物・会話などで誘発され喉がイガイガする咳はアトピー咳嗽であることが多く、風邪の後に咳だけが残ってしまう時は感染後咳嗽を疑います。また、ぜろぜろする感じを伴う場合は気管支喘息や副鼻腔気管支症候群などを第一に疑います。体力の消耗が著しい場合は結核や癌・間質性肺炎なども疑われます。一部の降圧薬・漢方薬・免疫抑制薬などの副作用でも咳が出ることがあります。呼吸器内科医は患者さんの自覚症状・聴診所見・レントゲン所見・全身状態など詳細に観察し咳の原因を突き止めそれぞれの病態にみあった治療をおこなっていきます。しつこい咳は専門家に相談しましょう。

 

COPDとは

COPDとは あなたの肺年齢は大丈夫ですか?

COPDとは中年以後に発症し、タバコを吸う方に多くみられる疾患です。初期症状は、カゼをひいているわけでないのに咳や痰がでる、カゼをひきやすく治りにくい、ちょっとした運動で息切れをおこしやすい、などです。進行すると平地を歩いても呼吸が苦しくなります。COPDは肺癌とともにタバコが最も悪さをする肺の病気で、息切れがおこる主な原因は気管支が狭くなるためです。一度狭くなった気管支は元に戻らず、禁煙しなければ徐々に進行していきます。肺活量は加齢現象のひとつとして徐々に低下していきます。1秒間に吐き出すことのできる空気の量を1秒量と言い、これは非喫煙者の場合でも1つ年をとるごとに30mL前後減りますが、喫煙者では70mL前後減ります。20歳代で1秒量が同じでも50歳になると喫煙者と非喫煙者では1000mL近く差が出る計算です。放置していると日常生活を送ることも困難になることがあります。あなたの肺年齢は大丈夫ですか?

 

大人の喘息

大人の喘息成人喘息は過去30年間で約3倍にも増加しているといわれ、都市部に多い傾向にあるため文明病とも呼ばれています。小児喘息から持ち越す人や再発する方もいますが、40~60代で発症する方も少なくありません。実は成人喘息の発症パターンのうち最も多いのは成人になってから初めて発症するケースなのです。小児喘息の9割以上でアレルギー関与が認められるのに対し、成人の喘息においてアレルゲン(アレルギーの原因物質)を発見できるのは5割程度で残りの5割はアレルゲンを発見できない非アトピー型です。しかし気管支の慢性的な炎症、ぜん鳴(呼吸のたびにぜいぜいする症状)が出て息苦しくなるという点では小児喘息と変わりありません。成人喘息の悪化の原因は人によってさまざまです。以下に主なものをあげます。

  1. ダニやペットの抜け毛やフケ、花粉、カビの胞子など(これらをふくむ室内埃をハウスダストといいます)。
  2. 消炎鎮痛薬を飲んだり注射をした後で非常に重篤な喘息発作を起こされる方も成人喘息の約1割に認められ、これをアスピリン喘息とよびます。
  3. ストレス。
  4. 運動誘発喘息といって運動によって短時間発作を起こすことがあります。これは発作が起きたからといってスポーツをやめる必要はなく適切な投薬でコントロールができます。
  5. 室内空気汚染物質(たとえば石油暖房器などから発生する窒素酸化物や一酸化炭素、建材などから発生するホルムアルデヒドなど)が発作の誘因になることがあります。大気汚染も同様です。最近ではPM2.5なども問題になっています。
  6. たばこの煙
  7. かぜや気管支炎などの気道感染。長引く咳や痰で悩んでいらっしゃる方はもしかしたら成人喘息かもしれません。適切な治療で驚くほど症状が改善することもありますので、そのような方は是非専門医を受診してください。
 

インフルエンザ

インフルエンザ インフルエンザウイルスが病原で起こる疾患です。A型、B型、C型の3種類があります。潜伏期は1~3日くらいで、患者が咳をしたりするとウイルスが空中を浮遊し、それを人が吸い込むことで感染します。治療は症状出現後2日以内に開始します。インフルエンザワクチンの予防接種である程度は防げますが、その年によって流行する菌の型が違うため万能ではありません。体の弱い人は、流行している時に人混みに出るのを控えた方がよいでしょう。

 

糖尿病

糖尿病 糖尿病は、食事で摂った糖をエネルギーに変えるときに必要なホルモンであるインスリンの異常から起こる病気です。インスリンの産生や分泌が不足したり、インスリンが十分に働かなくなると、血液の中にブドウ糖が溜まり糖尿病の状態となります。
糖尿病を放置しておくと、網膜症、腎症、神経障害などの合併症が起こります。食事療法や運動療法、薬物療法などをきちんと行い、血糖値をうまくコントロールして合併症を防ぐことが重要です。

 

美容点滴やにんにく注射

美容点滴やにんにく注射 美容点滴やにんにく注射ってどうなんだろう?

最近、美容点滴、プラセンタ注射、にんにく注射などの言葉をよくマスコミで耳にしますが、はたして本当に効果はあるのでしょうか? 答えは「yes」です。大変効果的です。実はつい最近まで、ききょう内科クリニックの院長である私自身も、そのような注射なんてたいして効果がないだろう、流行りものだろうと思っていました。ところがそのような考えを覆すできごとがあったのです。ある患者さんが体調が非常にすぐれず、食欲もなく、毎日点滴にいらしていたので、少しでも体調がよくなればと思い、通常のブドウ糖などの点滴にビタミンC製剤を加えてみましたところ、わずか数回のお注射で驚くほどの美白効果を認め、栄養失調のため荒れていた肌のきめも整い潤ってきたのです。現代医療はevidence based medicine(EBM)といい、膨大なデータの集積に基づいて現時点で最高と考えられる治療を行っております。一方で美容点滴などに関してはそのようなデータの集積が少なく、一般内科医は敬遠しがちです。この患者さんの例はあくまでも一例でしかありません。しかし“百聞は一見にしかず”ではないですが、正直ここまで効果的なものかと驚いています。世間には健康に関する色々な情報が氾濫しています。惑わされることはよくありません。でも、効果のあるものも確かにあるのです。